第4章 セリフ40個の作り方
この章でわかること
- セリフを10カテゴリーに分ける理由と配分
- 読みやすい文字数の目安
- 重複を見つける方法
- 避けるべき表現
- 実例:AI活用コンサルタント「アイナ」のセリフ40個(完成品)
- CSVで管理する形
なぜセリフを先に40個決めるのか
理由は3つあります。
1. 画像の枚数が確定する
セリフが決まらないと、何枚描くのかが決まりません。
「とりあえず描く」を始めると、あとで足りなくなります。
2. 表情とポーズが自動で決まる
「ありがと〜!」なら笑顔で手を合わせる。
「ごめん!」なら困り顔で頭を下げる。
セリフから逆算すると、画像生成プロンプトを考える時間がゼロになります。
3. カテゴリーの偏りが見える
40個書き出すと、こうなりがちです。
- 感情表現が20個
- 返事が2個
これは実用的ではありません。
トークでいちばん使うのは「返事」と「確認」です。
リストにすると偏りが一目でわかります。
セリフの10カテゴリーと配分
私が実際に使っている配分です。
1 あいさつ
- 個数:4
- 役割:トークの入口。使用頻度が高い
2 返事
- 個数:5
- 役割:最も使われる。ここが弱いと売れない
3 感謝
- 個数:3
- 役割:送られて嫌な気持ちにならない
4 謝罪
- 個数:3
- 役割:文字だと重いので、絵で軽くする
5 確認
- 個数:4
- 役割:仕事系テーマでは必須
6 仕事
- 個数:5
- 役割:テーマ特化の中核
7 感情
- 個数:5
- 役割:キャラクターの魅力を出す
8 応援
- 個数:4
- 役割:相手に送りたくなる
9 締め
- 個数:4
- 役割:トークの出口。1日1回は使う
10 キャラクター固有ネタ
- 個数:3
- 役割:SNSで話題になる部分
*合計*
- 個数:40
この配分にする理由
返事と確認を厚くしています。
トークの現実を考えてください。
1日のLINEで一番多いのは、「了解」と「これでいい?」です。
「うれしい!」を1日3回送る人はいません。
だから、返事5個・確認4個・締め4個で13個。
ここが実用の土台になります。
キャラクター固有ネタを3つ入れる理由
固有ネタは、使用頻度は低いです。
でも、SNSで語れます。
「それAIでいけるっしょ」というスタンプを作った、と投稿すると、そこから会話が生まれます。
3個だけ入れる。これがちょうどいい量です。
10個入れると、実用性が落ちます。
読みやすい文字数の目安
ここは実測してほしい部分です。
私の経験では、目安はこうなります。
2〜5文字 大きく読める
- 判定:◎
6〜8文字 読める
- 判定:○
9〜12文字 やや小さい
- 判定:△
13文字以上 読みにくい
- 判定:×
なぜ長いと読めないのか
スタンプ画像の横幅には上限があります。
その中に、キャラクターと文字を入れます。
文字数が増えると、1文字あたりのサイズが小さくなります。
そして、スマートフォンでは文字が潰れます。
長くなってしまうときの対処
3つの方法があります。
方法1 言い切る
× 資料の作成が完了しました
○ 資料できた!
方法2 2行にする
遅くなって
ごめん!
1行の文字数を減らせます。
方法3 絵に語らせる
× ちょっと今忙しいので後で連絡します
○ あとで!(スマホを見せるポーズ)
ポーズで意味を補うと、文字を削れます。
重複を見つける方法
40個書くと、必ず重複します。
意味が同じセリフを2つ入れると、1枚ぶん損します。
重複しやすい組み合わせ
- 「ありがとう」と「感謝します」:敬語版は別作品に回す
- 「了解」と「わかった」:どちらか1つ。もう1つは「OK!」に
- 「おつかれ」と「おつかれさま」:1つに絞る
- 「がんばれ」と「ファイト」:1つに絞る
- 「すごい」と「さすが」:ニュアンスが違えば両方OK
判定の基準
こう考えてください。
同じ場面で、どちらを送るか迷うなら重複。
迷わないなら、別のセリフです。
「ありがと〜!」と「助かった!」は、迷いません。
前者は反射的に、後者は本当に助かったときに送ります。
AIで重複を検出する
40個をAIに渡して、重複を洗い出せます。
この章の後半にプロンプトを置いています。
避けるべき表現
必ず確認してください。
審査に関わります。
避けるもの
- 差別的な表現(人種、国籍、性別、職業、障害、体型など)
- 攻撃的な表現(死ね、殺す、消えろ など)
- 相手を侮辱する言葉
- 危険な行為を勧める表現
- 性的な表現
- 特定の宗教・政治を推す表現
- 実在の人物・団体を指す言葉
- 商標・ブランド名
- 医療や健康について断定する表現
- 賭博を想起させる表現
判断に迷うとき
麻雀スタンプを作ったときに気をつけた点を書きます。
麻雀そのものは競技ですが、賭博を想起させる言葉は避けました。
「今日いくら勝った?」のような金銭のやりとりを含む表現は入れていません。
代わりに「今週打つ?」「もう一局!」のような、集まる連絡と競技の言葉にしました。
迷ったら、入れないのが早いです。
40個のうち1個を諦めるだけで、リジェクトを1回減らせます。
強めのネタを入れたいとき
キャラクター固有ネタは、少し尖らせたくなります。
そのときの基準は1つです。
送られた相手が、笑えるか。
送った本人だけが面白いネタは、使われません。
実例:AI活用コンサルタント「アイナ」のセリフ40個
第3章で設計したキャラクターのセリフです。
そのまま使ってもらって構いません。
話し方の設定を再掲します。
- 一人称:アタシ
- 語尾:〜っしょ / 〜だよ / 〜ね
- テンション:高い(相手を否定しない)
- 口ぐせ:それAIでいけるっしょ / はい、時短! / まかせて!
あいさつ(4個)
1 おはよ!
- 文字数:4
- 表情:満面の笑み
- ポーズ:片手を大きく振る
2 おつかれ!
- 文字数:5
- 表情:にっこり
- ポーズ:両手で小さく拍手
3 こんばんは〜
- 文字数:6
- 表情:にっこり
- ポーズ:軽く会釈
4 ひさしぶり!
- 文字数:6
- 表情:驚き+笑顔
- ポーズ:両手を広げる
返事(5個)
5 了解っしょ!
- 文字数:6
- 表情:得意げ
- ポーズ:親指を立てる
6 まかせて!
- 文字数:5
- 表情:満面の笑み
- ポーズ:胸を叩く
7 OK!
- 文字数:3
- 表情:にっこり
- ポーズ:指で丸を作る
8 ちょっと待って
- 文字数:7
- 表情:困り顔
- ポーズ:手のひらを前に出す
9 むりかも…
- 文字数:5
- 表情:困り顔
- ポーズ:両手を小さく上げる
感謝(3個)
10 ありがと〜!
- 文字数:6
- 表情:満面の笑み
- ポーズ:両手を合わせる
11 助かった!
- 文字数:5
- 表情:にっこり
- ポーズ:額の汗をぬぐう
12 感謝しかない
- 文字数:6
- 表情:にっこり(目を閉じる)
- ポーズ:深くお辞儀
謝罪(3個)
13 ごめん!
- 文字数:4
- 表情:困り顔
- ポーズ:手を合わせて頭を下げる
14 遅くなってごめん
- 文字数:8(2行)
- 表情:困り顔
- ポーズ:走ってきて肩で息
15 アタシのミス…
- 文字数:7
- 表情:泣き
- ポーズ:しゃがんで小さくなる
確認(4個)
16 どう?
- 文字数:3
- 表情:期待の目
- ポーズ:首をかたむける
17 これで合ってる?
- 文字数:8(2行)
- 表情:真剣
- ポーズ:ノートパソコンを見せる
18 いつまで?
- 文字数:5
- 表情:真剣
- ポーズ:指を1本立てる
19 見た?
- 文字数:3
- 表情:にっこり
- ポーズ:スマートフォンを掲げる
仕事(5個)
20 今から会議
- 文字数:5
- 表情:真剣
- ポーズ:資料を抱えて歩く
21 資料できた!
- 文字数:6
- 表情:得意げ
- ポーズ:書類を掲げる
22 送っといた
- 文字数:5
- 表情:にっこり
- ポーズ:ノートパソコンを閉じる
23 対応中!
- 文字数:4
- 表情:真剣
- ポーズ:パソコンに向かって打つ
24 明日でもいい?
- 文字数:7
- 表情:眠い
- ポーズ:目をこすりながら手を上げる
感情(5個)
25 うれしい!
- 文字数:5
- 表情:満面の笑み
- ポーズ:飛び跳ねる
26 びっくり
- 文字数:4
- 表情:驚き
- ポーズ:両手を頬に当てる
27 つらい…
- 文字数:4
- 表情:泣き
- ポーズ:机に突っ伏す
28 ねむい
- 文字数:3
- 表情:眠い
- ポーズ:大きくあくび
29 やったー!
- 文字数:5
- 表情:満面の笑み
- ポーズ:両手を突き上げる
応援(4個)
30 がんばれ!
- 文字数:5
- 表情:満面の笑み
- ポーズ:両手を握って前に出す
31 いけるいける
- 文字数:6
- 表情:得意げ
- ポーズ:背中を押すしぐさ
32 ナイス!
- 文字数:4
- 表情:にっこり
- ポーズ:指を鳴らす
33 無理しないで
- 文字数:6
- 表情:心配そう
- ポーズ:肩に手を置くしぐさ
締め(4個)
34 お先に失礼〜
- 文字数:6
- 表情:にっこり
- ポーズ:かばんを持って手を振る
35 また明日
- 文字数:4
- 表情:にっこり
- ポーズ:小さく手を振る
36 おやすみ
- 文字数:4
- 表情:眠い(目を閉じる)
- ポーズ:頬に手を添える
37 今日はここまで!
- 文字数:8(2行)
- 表情:得意げ
- ポーズ:ノートパソコンを閉じる
キャラクター固有ネタ(3個)
38 それAIでいけるっしょ
- 文字数:11(2行)
- 表情:得意げ
- ポーズ:人差し指を立てて片目を閉じる
39 はい、時短!
- 文字数:6
- 表情:満面の笑み
- ポーズ:ストップウォッチを止めるしぐさ
40 自動化しよ?
- 文字数:6
- 表情:にっこり
- ポーズ:小型AIロボットを指さす
この40個を作るときに考えたこと
3点あります。
1. 「返事」を最初に固めた
一番使われるからです。
「了解っしょ!」「まかせて!」「OK!」の3つで、肯定の返事を網羅しました。
そこに「ちょっと待って」「むりかも…」を入れて、断る側も用意しました。
断るスタンプは意外と使われます。
文字で「無理です」と打つのは重いので、絵で軽くできます。
2. 長いセリフは2行にした
「それAIでいけるっしょ」は11文字です。
1行だと小さくなるので、こう分けます。
それAIで
いけるっしょ
これで1行6文字になり、読めるサイズになります。
3. 固有ネタを3個で止めた
「それAIでいけるっしょ」は、このキャラクターの看板です。
でも、毎日は使いません。
だから3個。残り37個は実用に振りました。
CSVで管理する
40個をテキストで管理すると、途中で混乱します。
CSVにすると、こうなります。
- 何番がどのカテゴリーか一目でわかる
- 画像の進捗(未着手/生成済/加工済)を管理できる
- ファイル名との対応が崩れない
列はこの9つです。
number,category,text,emotion,pose,image_prompt,status,filename,notes
このCSVは、templates/stamp_list.csv に40行ぶん入れてあります。
自分で作る場合は、第11章の scripts/create_csv.py を実行すると生成できます。
statusの使い方
進捗を4段階で持つと、作業が止まりません。
- todo:まだ何もしていない
- generated:画像を生成した
- edited:加工(透過・文字入れ)まで終わった
- done:検証スクリプトを通した
そのまま使えるプロンプト
プロンプト1 セリフ40個を作る
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あなたはLINEスタンプのセリフを作る構成作家です。
以下のキャラクター設定にもとづいて、
LINEスタンプ用のセリフを40個作ってください。
【キャラクター設定】
(第3章の設定シートを貼る)
【カテゴリーと個数(厳守)】
あいさつ 4 / 返事 5 / 感謝 3 / 謝罪 3 / 確認 4 /
仕事 5 / 感情 5 / 応援 4 / 締め 4 / キャラクター固有ネタ 3
【文字数のルール】
- 原則8文字以内
- 9文字以上になる場合は、2行に分ける形で書く
- 13文字を超えるものは作らない
【内容のルール】
- 実際のLINEトークで送られる言葉を優先する
- 同じ意味のセリフを重複させない
- キャラクターの語尾と一人称を守る
- 差別的・攻撃的・性的・危険な表現を入れない
- 実在人物、団体、商標、ブランド名を入れない
- 医療や健康について断定しない
【各セリフに付ける情報】
No / カテゴリー / セリフ / 文字数 / 表情 / ポーズ
【出力形式】
カテゴリーごとに見出しを付けた表。
最後に「重複の可能性があるペア」を列挙する。
▲ ここまで
プロンプト2 重複と偏りをチェックする
▼ ここからコピーして使えます(21行)
以下は、LINEスタンプ用のセリフ40個です。
次の3点をチェックしてください。
1. 意味が重複しているペア
→ 「同じ場面でどちらを送るか迷う」ものを重複と判定する
→ 残すべき方と、その理由を書く
2. カテゴリーの偏り
→ 実際のLINEトークでの使用頻度から見て、
厚すぎる/薄すぎるカテゴリーを指摘する
3. 使いどころが想像できないセリフ
→ 「いつ、誰に送るのか」が説明できないものを挙げる
→ 代替案を1つずつ出す
【出力形式】
指摘 → 理由 → 修正案 の順。
【セリフ40個】
(貼る)
▲ ここまで
プロンプト3 長いセリフを短くする
以下のセリフを、LINEスタンプ用に短くしてください。
【条件】
- 原則8文字以内
- 意味を変えない
- キャラクターの語尾を守る
- 9文字以上になる場合は改行位置も指定する
- 「ポーズで意味を補う」案も1つ出す
【出力形式】
元のセリフ / 短縮案A / 短縮案B / ポーズで補う案
【セリフ】
(貼る)
プロンプト4 審査リスクを事前に見る
▼ ここからコピーして使えます(22行)
以下のLINEスタンプ用セリフ40個について、
審査で問題になりそうな表現を洗い出してください。
【チェック観点】
- 差別的・侮辱的に読める表現
- 攻撃的な表現
- 性的な表現
- 危険な行為を勧める表現
- 賭博を想起させる表現
- 実在人物・団体・商標・ブランド名
- 医療・健康・法律について断定している表現
- 宗教・政治に関する主張
【出力形式】
No / セリフ / 懸念点 / 言い換え案
問題がない場合は「懸念なし」と書いてください。
規約の条文を推測して引用しないでください。
最終判断は公式ガイドラインで確認する前提で回答してください。
【セリフ40個】
(貼る)
▲ ここまで
よくある失敗
失敗1 感情表現ばかりになる
「うれしい」「かなしい」「たのしい」が20個並びます。
対策:カテゴリー配分表のとおりに個数を割る。
失敗2 セリフが長い
13文字を超えると、スマートフォンで読めません。
対策:8文字以内を目安にする。超えたら2行にする。
失敗3 同じ意味のセリフが混ざる
「了解」「わかった」「オッケー」が3枚あると、1枚で足ります。
対策:AIに重複チェックさせる。
失敗4 敬語とタメ口を混ぜる
キャラクターがブレます。
対策:敬語版は別作品にする(第10章のシリーズ展開)。
失敗5 使いどころのないセリフを入れる
「宇宙一だね!」のようなセリフは、送る場面がありません。
対策:「いつ、誰に送るか」を1行で書けるか確認する。
失敗6 流行語を入れる
半年後に古くなります。
対策:長く使われる言葉を選ぶ。流行語は季節版に回す。
失敗7 ネタが尖りすぎる
送られた相手が困ります。
対策:「相手が笑えるか」で判定する。
失敗8 CSVを作らずメモアプリで管理する
途中で番号とファイル名がずれます。
対策:最初からCSVで管理する。
この章のチェックリスト
- □ カテゴリーごとの個数を決めた(合計40)
- □ 返事と確認を厚めに配分した
- □ 全セリフが8文字以内、または2行指定になっている
- □ 13文字を超えるセリフがない
- □ 重複ペアをチェックした
- □ 全セリフについて「いつ誰に送るか」が言える
- □ 差別的・攻撃的・性的な表現がない
- □ 実在人物・商標・ブランド名が入っていない
- □ キャラクターの語尾と一人称が統一されている
- □ 各セリフに表情とポーズを割り当てた
- □ CSVに40行ぶん入力した
- □ statusの列を用意した
章のまとめ
- セリフを先に決めると、画像の枚数と内容が確定する
- 配分は10カテゴリー。返事5・確認4・締め4が実用の土台
- 文字数は8文字以内が目安。長ければ2行かポーズで補う
- 重複は「同じ場面で迷うか」で判定する
- 固有ネタは3個で足りる。実用を優先する
- CSVで管理すると、番号とファイル名がずれない
次の章では、画像生成に入ります。
セリフと表情・ポーズが決まっているので、プロンプトは組み立てるだけです。