第5章 AI画像生成(後編)
前編の続きです。
前編では「プロンプトの型とキャラクターの固定」を扱いました。
この後編では「生成プロンプト10種と修正プロンプト」を扱います。
そのまま使えるプロンプト(10種)
第3章の「アイナ」を前提にしています。
共通部分は毎回そのまま貼ります。
共通部分(毎回コピーする)
▼ ここからコピーして使えます(40行)
【キャラクター】
20代後半の女性として設計した架空キャラクター「アイナ」。
職業はAI活用コンサルタント。3頭身のデフォルメ体型。
肌は日焼けした健康的なブラウン(#A9714B)。
目は大きめのアーモンド型。まつげは太い線で2本だけ強調。
ゴールドの大きめフープイヤリングを左右に着用。
【服装】
白のオーバーサイズTシャツ(#FFFFFF)の上に
ネオンピンクのオープンシャツ(#FF4FA3)を羽織る。
下は黒のワイドパンツ。
首から無地のIDカードホルダーを下げる(文字は書かない)。
【髪型】
肩上のボブ。毛先は外はね。前髪はセンターで分けて額を出す。
髪色は明るいゴールドブロンド(#E8C468)。
【画風】
太く均一な輪郭線(線の色は #2B2B2B)。
ベタ塗り。グラデーションは使わない。
影は1段のみ(同系色を1トーン濃くするだけ)。
線はサイズを縮小しても消えない太さにする。
【背景】
単色の白。背景に模様・小物・風景を描かない。
【禁止事項】
- 実在の人物、芸能人、インフルエンサーに似せない
- 既存のアニメ・漫画・ゲームのキャラクターに似せない
- 企業ロゴ、商標、ブランド名を描かない
- 画像内に文字を一切描かない
- 過度な露出を描かない
- 背景を描かない
- 特定の人種・国籍・属性を戯画化しない
【出力条件】
- 1体のみ。正方形に近い比率。
- キャラクターの周囲に均等な余白を残す(端に接触させない)
- 文字は入れない
- 高解像度で出力する
▲ ここまで
以下は、この共通部分の後ろに続ける部分です。
プロンプト1 基本キャラクター(基準画像)
【表情】
目:弧を描いて細める(にっこり)
口:小さく口角を上げる
眉:ゆるやかに下げる
【ポーズ】
右手:胸の高さで軽く開いて前に出す
左手:自然に下ろす
体の向き:正面
足:描かない(上半身のみ)
【構図】
上半身のみ。正面。顔が画面の上半分に入る。
このあとの生成で参照する「基準画像」として使うため、
特徴がすべて見える標準的な立ち姿にする。
この1枚を最初に作ります。
以降のプロンプトでは、この画像を参照として渡してください。
プロンプト2 喜ぶ
【表情】
目:三日月型に細める
口:大きく開いて歯を見せる
眉:高く上げる
【ポーズ】
右手:頭より高く突き上げる(手のひらを開く)
左手:頭より高く突き上げる(手のひらを開く)
体の向き:正面
動き:軽く飛び跳ねている(足元に短い動線を2本)
【構図】
上半身から腰まで。両手が画面の上端に接触しないよう余白を残す。
プロンプト3 謝る
【表情】
目:ぎゅっと閉じる(線で表現)
口:波線で小さく開く
眉:八の字に下げる
【ポーズ】
両手:顔の前で合わせる(拝むしぐさ)
体の向き:正面からやや前傾(頭を少し下げる)
足:描かない
【構図】
上半身のみ。頭を下げるため、顔が画面中央に来るよう調整。
頭の上に余白を残す。
プロンプト4 驚く
【表情】
目:真円に大きく開く(白目の面積を広く)
口:縦に大きく開く
眉:高く上げる
【ポーズ】
右手:頬に当てる
左手:頬に当てる
体の向き:正面
効果:頭の上に短い驚きの線を3本(文字は描かない)
【構図】
上半身のみ。顔を大きめに。効果線が画面端に接触しないよう余白を残す。
プロンプト5 落ち込む
【表情】
目:半目で下を向く(涙は描かない)
口:への字
眉:八の字に下げる
【ポーズ】
右手:膝の上に置く
左手:膝の上に置く
体の向き:正面からやや斜め。肩を落として前かがみ
姿勢:しゃがみ込んで小さくなる
効果:頭の上に落ち込みを表す縦線を数本(文字は描かない)
【構図】
全身(3頭身なので全身でも顔が大きく見える)。上下に余白を残す。
プロンプト6 応援する
【表情】
目:大きく開く
口:「お」の形に開く(口を丸く)
眉:上げる
【ポーズ】
右手:握りこぶしを作って前方に押し出す
左手:握りこぶしを胸の前に構える
体の向き:正面からやや前傾
足:描かない
【構図】
上半身のみ。前に出した手が画面端に接触しないよう余白を残す。
プロンプト7 パソコンで作業する
【表情】
目:まっすぐ開く(真剣)
口:横一直線
眉:水平
【ポーズ】
両手:ノートパソコンのキーボードに置く(指を打つ形)
体の向き:正面からやや斜め
小物:無地のシルバーのノートパソコン(ロゴ・文字なし、画面には何も表示しない)
【構図】
上半身とノートパソコン。パソコンが画面の下1/3に入る。
顔が隠れないよう、パソコンの角度を調整する。
ポイント:パソコンの画面に何かを表示させると、読めない文字が出ます。
「画面には何も表示しない」と必ず書いてください。
プロンプト8 スマートフォンを見る
【表情】
目:弧を描いて細める(にっこり)
口:小さく口角を上げる
眉:ゆるやかに下げる
【ポーズ】
右手:スマートフォンを顔の高さに掲げる
左手:腰に当てる
体の向き:正面からやや斜め
小物:無地の黒いスマートフォン(ロゴ・文字なし、画面は単色で何も表示しない)
【構図】
上半身のみ。スマートフォンと顔の両方が見えるよう配置。
スマートフォンで顔を隠さない。
プロンプト9 AIロボットと話す
▼ ここからコピーして使えます(21行)
【表情】
目:弧を描いて細める
口:小さく開いて話している形
眉:ゆるやかに下げる
【ポーズ】
右手:小型ロボットを指さす
左手:腰に当てる
体の向き:正面からやや斜め
【追加キャラクター】
小型のAIロボット1体。
- 体は白と水色(#FFFFFF / #7ED4E6)の丸い形
- 目は2つの黒い円のみ(表情は目だけで表現)
- 高さはアイナの膝くらい
- 既存の実在ロボット製品やキャラクターに似せない
- 体に文字・ロゴを描かない
【構図】
アイナが左、ロボットが右下。2体が重ならないよう配置。
2体の周囲に均等な余白を残す。
▲ ここまで
プロンプト10 了解ポーズ
【表情】
目:片目を閉じる(ウインク)
口:片方の口角を上げる(得意げ)
眉:片方だけ上げる
【ポーズ】
右手:親指を立てて前に大きく出す(サムズアップ)
左手:腰に当てる
体の向き:正面
足:描かない
【構図】
上半身のみ。前に出した親指が画面端に接触しないよう余白を残す。
親指が顔を隠さないよう、手の位置は胸の高さにする。
修正プロンプト:キャラクターが変わってしまったとき
生成を繰り返すと、必ずズレが出ます。
そのときに使うプロンプトです。
修正プロンプト1 差分を指摘して直す
▼ ここからコピーして使えます(21行)
生成された画像が、基準画像のキャラクターと異なっています。
【基準画像との違い(気づいた点)】
1. 髪の長さが肩より下になっている(正しくは肩上のボブ)
2. 肌の色が明るくなっている(正しくは #A9714B)
3. イヤリングが描かれていない(正しくはゴールドの大きめフープ)
4. 羽織りの色がオレンジ寄りになっている(正しくは #FF4FA3)
5. 線が細くなっている(正しくは太く均一な線)
【指示】
上記5点を修正して再生成してください。
表情とポーズは今回のものを維持してください。
それ以外の要素は、以下の設定に完全に合わせてください。
【キャラクター設定(完全版)】
(共通部分をまるごと貼る)
【重要】
髪型・髪色・肌の色・服装・小物・画風・線の太さは
基準画像と完全に同一にしてください。
変更してよいのは表情とポーズのみです。
▲ ここまで
修正プロンプト2 AIに差分を探させる
自分で違いに気づけないときに使います。
2枚の画像を比較してください。
1枚目:基準画像
2枚目:今回生成した画像
【出力してほしいこと】
1. 2枚のあいだで異なっている要素を、すべて列挙する
(髪型・髪色・肌の色・目の形・服装・小物・線の太さ・
塗り方・影の付き方・頭身・アクセサリーの有無)
2. それぞれについて、どちらが設定どおりかを判定する
3. 2枚目を1枚目に合わせるための修正指示を、
そのまま画像生成AIに貼れる文章で出力する
【注意】
表情とポーズの違いは、意図的な変更なので指摘しないでください。
修正プロンプト3 プロンプト自体を強化する
同じズレが何度も起きるときに使います。
以下の画像生成プロンプトを使っていますが、
生成のたびに「髪の長さ」と「肌の色」が変わってしまいます。
このプロンプトを、ブレにくくなるように書き直してください。
【改善の方針】
- 曖昧な表現を、具体的・測定可能な表現に置き換える
- 抜けている部位の指定を追加する
- 色は必ず色コードと言葉の両方で書く
- 「変えてはいけない要素」を冒頭と末尾の2か所に書く
- 全体の構成は【 】の項目形式を維持する
【現在のプロンプト】
(貼る)
実例:私が生成でつまずいた3点
つまずき1 白いTシャツと白背景が同化した
「アイナ」の設定を作ったとき、最初は白背景で生成していました。
背景を抜こうとしたら、Tシャツも消えました。
対策:背景を薄いグレー(#EFEFEF)で生成する。
白い服との境界が残るので、切り抜きやすくなります。
生成後に、グレーを透明に抜きます。
これは服の色が白いキャラクター全般で使える手です。
つまずき2 パソコンの画面に読めない文字が出た
ノートパソコンを持たせたら、画面に意味不明な文字列が表示されました。
対策:「画面には何も表示しない」と明記する。
これで解決しました。
同じことは、看板、本、名札、Tシャツのプリントでも起きます。
つまずき3 鮨職人キャラクターで、和柄が特定のブランドに近づいた
和柄を細かく指定すると、既存の意匠に似ることがあります。
対策:柄はシンプルにする。無地か、幅の広い縦縞程度に留める。
キャラクターの識別には、それで十分です。
よくある失敗
失敗1 設定を短縮して貼る
毎回別人が出ます。
対策:全文コピーする。面倒でも3秒。
失敗2 画像生成AIに日本語の文字を入れさせる
崩れます。40枚並べてから気づきます。
対策:文字は後から自分で入れる。
失敗3 背景を「白」にして白い服のキャラを作る
背景を抜くと服も消えます。
対策:背景を薄いグレーにする。
失敗4 キャラクターを画面の端まで大きく描かせる
余白がないと、加工時に切れます。
対策:【構図】に「周囲に均等な余白を残す」と書く。
失敗5 小物に画面や文字がある
読めない文字列が出ます。
対策:「何も表示しない」「文字を描かない」と明記する。
失敗6 9分割をそのまま本番に使う
1マスの解像度が足りず、線がぼやけます。
対策:9分割はラフ案。本番は1枚ずつ。
失敗7 商用利用条件を確認しないまま40枚作る
あとで全部使えなくなる可能性があります。
対策:最初に5分で確認する。
失敗8 作家名や作品名を「〇〇風」で入れる
権利上の問題になります。
対策:技法で書く(太い線、ベタ塗り、影1段)。
失敗9 うまくいったプロンプトを保存しない
2作目でゼロからやり直しになります。
対策:prompts/ に保存する。
この章のチェックリスト
- □ 画像生成AIの商用利用条件を自分の目で確認した
- □ 10項目の型(テンプレート)を用意した
- □ 共通部分(変えない7項目)を1つの文章にまとめた
- □ 基準画像を1枚作った
- □ 参照画像を渡せるか確認した
- □ 表情を「目・口・眉」に分けて書いた
- □ ポーズを「右手・左手・体の向き・足」に分けて書いた
- □ 「変えてよいのは表情とポーズのみ」の一文を入れた
- □ 背景の指定を決めた(白/薄いグレー/透明)
- □ 小物に「文字を描かない」を明記した
- □ 文字は後から入れる方針にした
- □ まず4枚だけ生成した
- □ 4枚を並べて、顔がそろっているか確認した
- □ 実在人物・既存キャラクターを思い出さないか確認した
- □ うまくいったプロンプトを保存した
章のまとめ
- プロンプトは10項目の型で持つ。変えるのは表情・ポーズ・構図だけ
- 設定文はまるごと貼る。基準画像を参照させる
- 表情は「目・口・眉」、ポーズは「右手・左手・体の向き・足」で書く
- 日本語の文字は後から自分で入れる
- 9分割はラフ案の確認用。本番は1枚ずつ
- 白い服のキャラは、背景を薄いグレーにする
- 商用利用条件は必ず自分で確認する
- まず4枚。並べて確認してから残りを作る
次の章では、生成した画像を加工します。
透過、余白、リサイズ、文字入れまで進めます。

並べて統一感を確認する(髪型・服装・線の太さがそろっているか)

頭身を変えた比較(3頭身と6頭身。右は実際のトーク表示に近いサイズ)

小物は無地にし、画面には何も表示しないよう指定する(作例)

薄いグレー背景で生成し、背景だけを透過した画像(白いTシャツが残っている)