第8章 審査とリジェクト対応(約7,785文字) 記事一覧
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第8章 審査とリジェクト対応

この章でわかること


リジェクトは失敗ではありません

先に、いちばん大事なことを書きます。

リジェクトは失敗ではなく、修正指示です。

審査に落ちたのではありません。

「ここを直せば通ります」と教えてもらっている状態です。

私も、何度もリジェクトを受けています。

そして、そのほとんどは画像の仕様の問題でした。

絵の内容や企画がダメだと言われたことは、ほぼありません。

つまり、こういうことです。

落ち込む必要がない理由

リジェクトの通知には、該当する項目が書かれています。

そこを直して再申請すれば、また審査されます。

回数の制限で困った経験はありません。

それでも、リジェクトが1回減ると、それだけ販売開始が早くなります。

だから、この章では「事前に防ぐ方法」を中心に書きます。


審査で見られている3つの観点

おおまかに、次の3つです。

観点1 画像の仕様

ここが一番リジェクトの原因になります。

そして、ここは事前に100%チェックできます。

第11章の scripts/validate_images.py を実行してください。

観点2 権利

実在人物、既存キャラクター、企業ロゴ、ブランド名。

これらが含まれていないか。

観点3 内容

差別的・攻撃的・性的な表現。

そして、「スタンプとして機能するか」も見られます。


リジェクトの典型例12種

私が経験したもの、そして仕組み上起きうるものを整理します。

典型例1 画像サイズの不備

症状

規定のピクセル数を超えている、または小さすぎる。

縦横が奇数のピクセル数になっている。

原因

対策


典型例2 透過ミス

症状

背景が白いまま、または半透明の残りがある。

輪郭に白いフチが残っている。

原因

対策

これは見た目では気づけません。必ず黒背景で確認してください。


典型例3 余白不足

症状

キャラクターが画像の端に接触している。

手や足が画面外で切れている。

原因

対策


典型例4 文字が切れている

症状

セリフの一部が画像の外に出ている。

濁点や小さい文字が欠けている。

原因

対策


典型例5 類似画像が多い

症状

「同じような画像が複数ある」と指摘される。

原因

対策

チェック方法

40枚を1つの画面に並べます。

そして、文字を隠して見ます。

絵だけで違いがわかるか。

わからないペアがあれば、片方を作り直します。


典型例6 著作権

症状

既存の作品に似ている、と指摘される。

原因

対策


典型例7 商標

症状

ロゴ、ブランド名、企業名が含まれている。

原因

対策


典型例8 肖像権

症状

実在の人物に似ている、と指摘される。

原因

対策

自分や家族の写真を使う場合も、本人の同意が必要です。


典型例9 公序良俗

症状

不適切な内容が含まれている、と指摘される。

原因

対策


典型例10 説明文との不一致

症状

説明文の内容と、スタンプの中身が合っていない。

原因

対策


典型例11 国や地域による販売制限

症状

特定の地域で販売できない、と案内される。

原因

対策


典型例12 スタンプとして使いにくい画像

症状

「スタンプとして適切でない」と指摘される。

原因

対策


リジェクト通知の読み方

通知には、該当する項目が書かれています。

読むときの手順

  1. どの項目が指摘されているかを特定する - 画像の仕様か、権利か、内容か
  2. 対象のファイル番号が書かれているか確認する - 番号がある場合は、その画像だけを直す - 番号がない場合は、全枚数を確認する
  3. 指摘の種類を分類する - 「必ず直すもの」と「確認が必要なもの」に分ける
  4. 修正の順番を決める - 全枚数に関わるものから直す

番号が書かれていない場合

これがいちばん困る状況です。

そのときは、この順番で確認してください。

  1. validate_images.py を実行する(仕様の問題を全部洗い出す)
  2. 40枚を並べて、似ているペアを探す
  3. 小物を拡大して、文字やロゴがないか確認する
  4. セリフ40個を読み返して、表現を確認する
  5. 説明文と中身が一致しているか確認する

1番だけで解決することが多いです。


修正して再申請する手順

手順

  1. 管理画面で、対象のアイテムを開く
  2. 編集できる状態にする
  3. 指摘された箇所を修正する - 画像の場合:修正した画像を差し替える - テキストの場合:タイトル・説明文を書き換える - 設定の場合:タグ・販売地域・写真使用の申告を修正する
  4. 修正後、validate_images.py を再実行する
  5. プレビューで確認する
  6. スマートフォンで実サイズを確認する
  7. 再申請する

画像を差し替えるときの注意

ファイル名を変えないでください。

stamp_012.png を直したなら、同じ stamp_012.png として差し替えます。

名前を変えると、順番が崩れます。

修正記録を残す

これは私が後から効いた習慣です。

【リジェクト記録】

日付:
指摘された項目:
対象ファイル:
原因(自分の分析):
行った修正:
再申請日:
結果:
次回への学び:

これを残しておくと、2作目で同じ失敗をしません。

templates/production_checklist.md にも欄を用意しています。


そのまま使えるプロンプト

プロンプト1 リジェクト通知を整理する

これがこの章のメインのプロンプトです。

▼ ここからコピーして使えます(48行)

あなたはLINEスタンプ制作の経験者で、審査対応を支援する立場です。

以下は、LINE Creators Marketから届いた審査結果の通知です。
この内容を整理して、修正方針をまとめてください。

【審査結果の通知(原文)】
(ここに届いた通知をそのまま貼る)

【私の制作物の情報】
- スタンプ枚数:
- 画像の作り方:(例:画像生成AIでイラストを作成、文字は後から追加)
- キャラクター:(例:架空のAI活用コンサルタント「アイナ」)
- 使ったツール:
- 説明文:
- タグ:
- 販売地域:

【出力してほしいこと】

1. 指摘の要点
   - 通知に書かれている指摘を、箇条書きで整理する
   - 通知に書かれていないことを推測で追加しない

2. 指摘の分類
   - 「画像の仕様」「権利」「内容」「設定・テキスト」のどれか
   - 対象ファイルが特定できるか、全枚数の確認が必要かを明記する

3. 修正箇所の特定手順
   - 何を、どの順番で確認すればよいか
   - 確認に使えるツールや方法(黒背景での透過確認など)

4. 具体的な修正作業
   - 作業内容を1ステップずつ書く
   - 画像編集ソフトでの操作として書く

5. 再申請前チェックリスト
   - チェックボックス形式(- [ ])
   - 今回の指摘に関係する項目を先頭に置く

6. 次回以降の予防策
   - 同じ指摘を受けないための工程上の対策

【重要な制約】
- LINEの規約条文を推測して引用しないでください
- 通知に書かれていない基準や数値を創作しないでください
- 画像サイズなどの具体的な数値は
  「LINE Creators Market公式ガイドラインで要確認」と書いてください
- 「これで必ず通る」といった断定をしないでください

▲ ここまで

プロンプト2 指摘が曖昧なときの絞り込み

▼ ここからコピーして使えます(20行)

LINE Creators Marketの審査で、以下の指摘を受けました。
しかし、対象のファイル番号が書かれていません。

【指摘内容】
(貼る)

【私の状況】
- 枚数:
- 画像の作り方:
- 気になっている点:

【出力してほしいこと】
1. この指摘で考えられる原因を、可能性が高い順に5つ
2. 各原因について、確認する具体的な方法
3. 40枚全部を確認する場合の、効率的な手順
4. 自動チェックできる項目と、目で見るしかない項目の切り分け

【制約】
- 通知に書かれていない基準を推測しないでください
- 確認方法は、無料ツールでできる範囲で書いてください

▲ ここまで

プロンプト3 類似画像の指摘に対応する

「類似した画像が複数ある」という指摘を受けました。

以下は、40枚のスタンプのセリフ・表情・ポーズの一覧です。

【一覧】
(stamp_list.csv の内容を貼る)

【出力してほしいこと】
1. 表情とポーズの組み合わせが似ているペアを、すべて挙げる
2. 各ペアについて、どちらを残すべきか(理由付き)
3. 残さない側を作り直す場合の、新しい表情・ポーズの案
4. 40枚全体で表情のバリエーションが足りているかの評価

【判定の基準】
- 「文字を隠したときに、絵だけで違いがわかるか」で判定する
- 表情の差が小さいものは類似とみなす
- 手の位置だけが違うものは類似とみなす

プロンプト4 セリフの表現を見直す

▼ ここからコピーして使えます(25行)

「内容が不適切」という指摘を受けた可能性があります。

以下のセリフ40個を確認し、審査で問題になりうる表現を洗い出してください。

【セリフ40個】
(貼る)

【チェック観点】
- 差別的・侮辱的に読める表現
- 攻撃的な表現
- 性的な表現
- 危険な行為を想起させる表現
- 賭博を想起させる表現
- 実在人物・団体・商標・ブランド名
- 医療・健康・法律について断定している表現
- 宗教・政治に関する主張
- 特定の地域や文化で受け取り方が変わる表現

【出力形式】
No / セリフ / 懸念点 / 言い換え案 / 削除を推奨するか

【制約】
- 規約の条文を推測して引用しないでください
- 「これは絶対に問題ない」という断定をしないでください
- 最終判断は公式ガイドラインを確認する前提で書いてください

▲ ここまで


実例:私が受けたリジェクトと対応

具体的な指摘の文面は公開できませんが、対応の考え方を共有します。

事例1 透過の不備で全枚数を差し替えた

自動の背景削除を使ったあと、確認せずに申請しました。

指摘を受けて、黒背景で確認したところ、輪郭に白いフチが残っていました。

対応

  1. 全枚数を黒背景で確認
  2. フチが残っている画像を特定
  3. 選択範囲を1px内側に縮めて削除し直す
  4. 再度、黒背景で確認
  5. validate_images.py を実行
  6. 再申請

学び

加工の最後に、必ず黒背景で全枚数を確認する。

この1工程を工程表に入れました。以降、透過での指摘はなくなりました。

事例2 小物の文字が読めない文字列になっていた

パソコンの画面に、意味不明な文字列が生成されていました。

自分では気づかず、拡大して初めて見つけました。

対応

  1. 該当画像を特定
  2. 生成プロンプトに「画面には何も表示しない」を追加
  3. 再生成
  4. 差し替えて再申請

学び

小物は必ず拡大して確認する。

そして、生成プロンプトに「文字を描かない」を固定で入れるようにしました。

事例3 説明文と中身がずれていた

説明文に、実際には入っていない用途を書いていました。

対応

  1. セリフ40個を読み返す
  2. 実際にカバーしている範囲を書き出す
  3. 説明文をその範囲に書き換える
  4. 再申請

学び

説明文は、セリフ40個を見ながら書く。

先に説明文を書くと、盛ってしまいます。


よくある失敗

失敗1 リジェクトで作品を放棄する

修正指示なので、直せば通ります。

対策:通知を読んで、1つずつ直す。

失敗2 通知を読まずに何度も再申請する

同じ理由で返ってきます。

対策:指摘項目を特定してから直す。

失敗3 自己判断で「これは大丈夫」と決める

対策:迷った要素は削る。1個削って再申請が早い。

失敗4 1枚だけ直して再申請する

同じ問題が他の39枚にもあることが多いです。

対策:全枚数を確認する。validate_images.py を使う。

失敗5 差し替え時にファイル名を変える

順番が崩れます。

対策:同じファイル名で差し替える。

失敗6 修正後に検証を再実行しない

別の問題を作り込むことがあります。

対策:修正後も必ず validate_images.py を実行する。

失敗7 修正記録を残さない

2作目で同じ失敗をします。

対策:リジェクト記録の欄を埋める。

失敗8 AIに「規約ではこうなっている」と言わせる

AIは規約を正確に持っていません。推測が混ざります。

対策:プロンプトに「規約を推測しない」制約を入れる。数値は公式で確認する。


この章のチェックリスト

申請前の予防(これが本番)

リジェクトを受けたとき


章のまとめ

次の章では、販売と宣伝に進みます。

作っただけでは、誰も存在を知りません。


並べて確認する(サンプルは5枚)

並べて確認する(サンプルは5枚)

小物を拡大して、文字やロゴが入っていないことを確認する(作例)

小物を拡大して、文字やロゴが入っていないことを確認する(作例)