第10章 シリーズ展開(約9,291文字) 記事一覧
使い方 「本文をコピー」を押す → noteの編集画面を開く → 貼り付け(Ctrl+V)
見出し・太字・箇条書き・引用・画像は書式が保たれます。
表はnoteで保持されないため、あらかじめ箇条書きに開いてあります。

第10章 シリーズ展開

この章でわかること


なぜ1作品で終わらせないのか

理由は3つあります。

理由1 2作目以降は圧倒的に速い

1作目で時間がかかったのは、次の部分です。

これらは、2作目では不要です。

2作目でやるのは、セリフを作って画像を生成し、加工することだけ。

私の感覚では、2作目は1作目の3分の1程度の時間で作れます。

理由2 目に触れる機会が増える

作品が1つだと、見つかる入口が1つです。

10作品あると、入口が10になります。

そして、1作品を気に入った人が、他の作品も見ます。

理由3 キャラクターが育つ

同じキャラクターの作品が並ぶと、「シリーズ」として認識されます。

そして、SNSで語れる話が増えます。

「アイナの5作目を作りました」は、それ自体が投稿ネタになります。


展開の11方向

同じキャラクターで、どう増やすか。

方向を整理します。

方向1 同じキャラクターでセリフを増やす

1作目で使わなかったセリフを使います。

第4章で40個作ったなら、そこに入らなかった案があるはずです。

いちばん簡単な展開です。

方向2 敬語版

タメ口の1作目に対して、丁寧な言い方の版を作ります。

1作目:了解っしょ!
敬語版:承知いたしました

これは需要があります。

理由は、仕事で使えるからです。

タメ口のスタンプは、上司や取引先に送れません。

方向3 日常版

仕事寄りの1作目に対して、生活の言葉を入れます。

おはよう / いってきます / 帰るね / 買い物ある? / おつかれ

使う相手が家族や友人に広がります。

方向4 仕事版

日常寄りの1作目に対して、仕事の言葉を入れます。

確認します / 対応中です / 会議入ります / 資料送りました

方向5 季節版

イベントに合わせた版です。

正月 / バレンタイン / 春(新年度)/ 夏 / ハロウィン / クリスマス / 年末

季節版のコツは、時期の前に出すことです。

12月に申請して12月に出しても、間に合いません。

審査の期間を考えて、余裕を持って申請します。

方向6 方言版

キャラクターに方言を話させます。

自分か家族の出身地に限ってください。

知らない地域の方言は、ネイティブに見抜かれます。

方向7 動くスタンプ(アニメーションスタンプ)

画像が動くスタンプです。

別のアイテム種類として申請します。

必要な仕様は静止画と異なります。

2026年7月30日時点で、公式のアニメーションスタンプ制作ガイドラインに記載されていた内容です。

静止画スタンプとの違いで注意する3点

1. 枚数の選択肢が違う

静止画は8/16/24/32/40個ですが、動くスタンプは8/16/24個までです。

40個で作った1作目を、そのまま全部動かすことはできません。

2. 余白のルールが逆

静止画は10pxぐらいの余白が必要でした。

動くスタンプは余白をつけません。

3. APNGという形式にする

複数のPNG(フレーム)をまとめて1つのAPNGにします。

APNG作成ツール(APNG Assembler など)を使います。

拡張子は .png のままです。

また、LINE STOREやスタンプショップでは1フレーム目が静止画として表示されるため、1枚目の絵が最も重要になります。

仕様は変更される可能性があります。申請前にLINE Creators Market公式の最新ガイドラインを確認してください。

スタンプ制作ガイドライン(creator.line.me/ja/guideline/sticker/)

スタンプ制作ガイドライン(creator.line.me/ja/guideline/sticker/)

動かす価値があるセリフ

全部を動かす必要はありません。

動きに意味があるものを選びます。

◎ 手を振る(バイバイ)
◎ うなずく(了解)
◎ 頭を下げる(謝る)
◎ 飛び跳ねる(喜ぶ)
△ 真剣な顔(動きに意味がない)

方向8 絵文字(LINE絵文字)

文字の中に混ぜて使える、小さな画像です。

スタンプより小さく表示されます。

2026年7月30日時点で、公式の絵文字制作ガイドラインに記載されていた内容です。

絵文字 8〜40個****

デコ文字(かなカナ/英数字)+絵文字 273〜305個

デコ文字(かなカナ)+絵文字 169〜201個

デコ文字(英数字)+絵文字 112〜144個

トークルームタブ画像 1個

その他の条件です。

絵文字で最初に作るなら

「絵文字」タイプ(8〜40個)から始めてください。

デコ文字を含むタイプは、100個以上必要になります。

1作目で挑戦する量ではありません。

「絵文字」タイプなら、スタンプと同じ8個から作れます。

仕様は変更される可能性があります。申請前にLINE Creators Market公式の最新ガイドラインを確認してください。

絵文字 制作ガイドライン(creator.line.me/ja/guideline/emoji/)

絵文字 制作ガイドライン(creator.line.me/ja/guideline/emoji/)

方向9 着せかえ

LINEアプリ全体の見た目を変えるものです。

トーク画面、ボタン、背景などをまとめてデザインします。

スタンプより制作枚数が多く、難易度が上がります。

いきなり挑戦するより、スタンプで5作品くらい作ってからのほうが安全です。

必要な画像の種類と数は、公式ガイドラインで確認してください。

方向10 海外向け

英語版のセリフでスタンプを作ります。

日本語版の翻訳ではなく、作り直します。

理由は、英語圏でよく送られる短い言葉が違うからです。

Thanks! / OK! / On my way / Sorry! / Good night / Let's go!

日本語の「了解っしょ」をそのまま訳すと不自然になります。

方向11 コラボ

他のクリエイターや、知り合いの事業者と組みます。

例:

注意点があります。

口約束で進めると、あとでもめます。


「アイナ」10作品の企画表

第3章のキャラクター「AIに強い陽気なビジネスコンサルタント アイナ」を、10作品に展開します。

1 AIコンサル アイナ|毎日つかえる40個

2 AIコンサル アイナ|敬語編

3 AIコンサル アイナ|仕事の返信

4 AIコンサル アイナ|家族と話す

5 AIコンサル アイナ|年末年始

6 AIコンサル アイナ|動く40個

7 Aina the AI Consultant

8 AIコンサル アイナ|絵文字

9 AIコンサル アイナ|相棒ロボと

10 AIコンサル アイナ|着せかえ

この順番にした理由

2作目に敬語版を置いています。

理由は、需要がはっきりしているからです。

1作目がタメ口なら、「仕事で使えない」という声が必ず出ます。

そこを埋めるのが敬語版です。

動くスタンプは6作目です。

理由は、静止画で5作品作ってから挑戦したほうが安全だからです。

キャラクターの描き方が安定してから動かします。

着せかえは最後です。

制作量がいちばん多いからです。

シリーズにファンがついてから作るほうが、報われます。


企画表テンプレート(自分用)

自分のキャラクターで埋めてください。

▼ ここからコピーして使えます(25行)

【シリーズ企画表】

キャラクター名:
1作目のテーマ:

| No | 作品名 | 種類 | セリフの方向 | 使う人 | 差分作業 | 着手予定 |
|----|--------|------|--------------|--------|----------|----------|
| 1  |        |      |              |        | ー       |          |
| 2  |        |      |              |        |          |          |
| 3  |        |      |              |        |          |          |
| 4  |        |      |              |        |          |          |
| 5  |        |      |              |        |          |          |
| 6  |        |      |              |        |          |          |
| 7  |        |      |              |        |          |          |
| 8  |        |      |              |        |          |          |
| 9  |        |      |              |        |          |          |
| 10 |        |      |              |        |          |          |

【共通で再利用するもの】
- キャラクター設定シート:
- 画像生成の共通プロンプト:
- 文字入れのテンプレート:
- 加工手順:
- 申請時のタイトル形式:
- 説明文のひな型:

▲ ここまで


2作目を3分の1の時間で作る方法

具体的な手順です。

準備1 1作目の資産を整理する

作業前に、次のファイルを1か所にまとめます。

project/
├── character/
│   ├── character_sheet.md        ← キャラクター設定
│   ├── base_image.png           ← 基準画像
│   └── color_palette.txt        ← 色コード
├── prompts/
│   ├── common_prompt.txt        ← 変えない7項目
│   └── pose_prompts.txt         ← 表情・ポーズ集
├── templates/
│   └── text_template.(編集ソフトの形式)  ← 文字入れの設定
└── series/
    ├── 01_daily/
    └── 02_keigo/                ← 2作目

この整理が、いちばん時間を節約します。

準備2 流用できるものを確認する

画像を流用する場合の注意

同じ画像を、セリフだけ変えて使い回すのは危険です。

第8章の「類似画像が多い」という指摘につながります。

安全な使い方はこうです。

◎ ポーズの指定を流用して、表情を変えて再生成する
◎ 体の向きを変えて再生成する
△ 同じ画像の文字だけ変える(多用しない)
× 40枚全部を文字だけ変えて出す

敬語版を作るなら、ポーズを丁寧なものに変えます。

これは、内容としても必要な変更です。

1作目:親指を立てる(了解っしょ!)
敬語版:軽く会釈する(承知いたしました)

2作目の作業手順

  1. セリフ40個を作る(1時間) - 第4章のプロンプトに、1作目のセリフを渡して「敬語版を作って」と指示する
  2. 表情・ポーズを割り当てる(30分) - 1作目の割り当てを見ながら調整する
  3. 画像を生成する(2〜3時間) - 共通プロンプトはコピーするだけ
  4. 加工する(2時間) - 文字入れのテンプレートを使う
  5. 検証する(5分) - validate_images.py を実行
  6. 申請する(30分) - 1作目の説明文を書き換える

合計6〜7時間程度です。

1作目でかかった時間の3分の1くらいになります。


そのまま使えるプロンプト

プロンプト1 シリーズ企画表を作る

▼ ここからコピーして使えます(30行)

あなたはLINEスタンプのシリーズを企画するプロデューサーです。

以下のキャラクターで、10作品のシリーズ企画表を作ってください。

【キャラクター設定】
(設定シートを貼る)

【1作目の内容】
- タイトル:
- セリフの方向:
- 使う人:

【展開の候補】
セリフ追加 / 敬語版 / 日常版 / 仕事版 / 季節版 / 方言版 /
動くスタンプ / 絵文字 / 着せかえ / 海外向け / コラボ

【出力する表の列】
No / 作品名 / 種類 / セリフの方向 / 使う人 / 前作からの差分作業 / 難易度(低・中・高)

【条件】
- 同じキャラクターで統一する
- 作品名は「キャラクター名|〇〇編」の形式にする
- 難易度が低いものを先に、高いものを後に置く
- 着せかえは最後に置く
- 動くスタンプは静止画で5作品作ったあとに置く
- 各作品について、1作目から流用できるものを明記する
- 具体的な売上見込みは書かない(データがないため)

【最後に出力すること】
2作目に取り組むべき作品と、その理由

▲ ここまで

プロンプト2 敬語版のセリフを作る

▼ ここからコピーして使えます(25行)

以下は、LINEスタンプ1作目のセリフ40個です。

これを敬語版に書き換えてください。

【1作目のセリフ40個】
(貼る)

【キャラクター設定】
(貼る)

【条件】
- 敬語として正しい表現にする(誤用を含めない)
- 原則8文字以内。超える場合は2行に分ける形で書く
- キャラクターの明るさは残す(堅すぎない敬語にする)
- 上司や取引先に送っても失礼にならない表現にする
- 同じ意味のセリフを重複させない
- 表情とポーズも、丁寧な動きに変更する
  (例:親指を立てる → 軽く会釈する)

【出力する列】
No / カテゴリー / 1作目のセリフ / 敬語版のセリフ / 文字数 / 表情 / ポーズ

【最後に出力すること】
- 敬語として微妙な表現がある場合の指摘
- 1作目のポーズをそのまま使えるもの/変更が必要なものの一覧

▲ ここまで

プロンプト3 季節版の企画を作る

以下のキャラクターで、季節版スタンプの企画を作ってください。

【キャラクター設定】
(貼る)

【出力してほしいこと】
1. 1年間の季節・イベントの一覧(日本で使われるもの)
2. 各イベントで実際にLINEで送られる言葉
3. 申請から販売開始までの期間を考えた、着手すべき時期の目安
4. 優先度(使用頻度が高い順)

【条件】
- 特定の宗教・政治に偏る内容を含めない
- 地域や文化によって受け取り方が変わる表現を避ける
- 審査期間は変動するため、具体的な日数を断定しない
  (「余裕を持って」という表現にする)
- キャラクターの服装は基本設定を維持し、
  小物や持ち物だけで季節を表現する案も出す

プロンプト4 英語版のセリフを作る

▼ ここからコピーして使えます(22行)

以下は、LINEスタンプ1作目の日本語セリフ40個です。

英語圏向けのスタンプ用に、英語のセリフ40個を作ってください。

【1作目のセリフ40個】
(貼る)

【重要な条件】
- 日本語の直訳をしない
- 英語のチャットで実際に短く送られる言葉にする
- 1〜3単語を基本にする(長い文は作らない)
- スラングは避ける(幅広い層が使えるように)
- カテゴリー配分は日本語版と同じにする
  (あいさつ4 / 返事5 / 感謝3 / 謝罪3 / 確認4 /
    仕事5 / 感情5 / 応援4 / 締め4 / キャラクターのネタ3)

【出力する列】
No / Category / English text / 文字数 / 対応する日本語版のNo / 表情 / ポーズ

【最後に出力すること】
- 日本語版に対応する英語が存在しないセリフの一覧と、その代替案
- 文化的に受け取り方が変わる可能性がある表現の指摘

▲ ここまで


実例:私がシリーズで学んだこと

学び1 キャラクターを1体に絞ると展開しやすい

複数キャラクターを出すと、2作目以降で全員を描き分ける必要が出ます。

作業量が2倍、3倍になります。

1体に絞ると、シリーズが続きます。

第3章で「キャラクター1体で表現できるか」を評価項目に入れたのは、これが理由です。

学び2 タイトルの形式を最初に決める

1作目:AIコンサル アイナ|毎日つかえる40個

2作目:AIコンサル アイナ|敬語編

この形式を1作目で決めておくと、シリーズが並んで見えます。

1作目で形式を決めずに出すと、2作目でタイトルの付け方に困ります。

学び3 プロンプトを保存していないと2作目が重い

これは実際にやってしまった失敗です。

1作目のプロンプトを保存せずに進めて、2作目でゼロから作り直しました。

うまくいったプロンプトは、必ずファイルに保存してください。

このリポジトリの prompts/ フォルダは、そのために用意しています。

学び4 動物キャラクターは展開しやすい

動物キャラクターを作ったときに気づいたことです。

動物は、次の点で有利です。

一方で、職業特化の共感(保育士あるある、士業向けなど)は出しにくいです。

共感で攻めるなら人物、展開のしやすさなら動物という整理になります。


よくある失敗

失敗1 1作品で終わる

いちばん多い失敗です。

対策:1作目の申請と同じ日に、2作目の企画表を書く。

失敗2 2作目でキャラクターを変える

シリーズになりません。

対策:同じキャラクターで、セリフの方向を変える。

失敗3 同じ画像の文字だけを変えて出す

類似画像として指摘される可能性があります。

対策:ポーズか表情を変えて再生成する。

失敗4 季節版の申請が遅れる

イベントに間に合いません。

対策:余裕を持って申請する。審査期間は変動する。

失敗5 1作目のプロンプトを保存していない

2作目でゼロからになります。

対策:prompts/ フォルダに保存する。

失敗6 いきなり着せかえに挑戦する

制作量が多く、途中で止まります。

対策:スタンプで5作品作ってから。

失敗7 知らない地域の方言版を作る

違和感を持たれます。

対策:自分か家族の出身地に限る。

失敗8 コラボを口約束で進める

権利と収益でもめます。

対策:事前に文書で決める。

失敗9 タイトルの形式が作品ごとにバラバラ

シリーズとして認識されません。

対策:1作目で形式を決める(キャラクター名|〇〇編)。


この章のチェックリスト


章のまとめ

次の章では、Claude Codeを使った自動化に入ります。

40枚のファイル管理と検証を、コマンド1行で終わらせます。