第11章 Claude Codeによる自動化
この章でわかること
- Claude Codeとは何か(プログラミング経験がなくても使える理由)
- ターミナル(コマンドを入力する画面)の開き方
- WindowsとmacOSでの操作の違い
- Claude Codeにフォルダを作らせる方法
- 40個のセリフをCSVで管理する方法
- 画像の連番リネーム
- 画像の枚数・サイズ・PNG形式・透過のチェック
- メイン画像とタブ画像の存在確認
- チェックリスト・SNS投稿案・原稿の自動生成
- 3つのPythonスクリプトの使い方
この章は飛ばしても作品は作れます
先に伝えておきます。
この章の内容がなくても、スタンプは完成します。
手作業でもできます。
ただし、次の場面で差が出ます。
40枚のファイル名を連番に変更 20〜30分
- 自動化:3秒
40枚のサイズを確認 20分
- 自動化:2秒
40枚の透過を確認 30分以上
- 自動化:2秒
40枚がPNGか確認 目視では不可能
- 自動化:2秒
CSVを40行作る 15分
- 自動化:2秒
そして、目視では不可能な確認があります。
「拡張子はPNGだが中身はJPEG」を、目で見て判別することはできません。
これがリジェクトの原因になります。
だから、この章を読む価値があります。
Claude Codeとは何か
パソコンのファイル操作を、日本語の指示で実行してくれるツールです。
何ができるのか
具体例で示します。
あなたが打つこと
line-stamp というフォルダを作って、
その中に images、output、csv の3つのフォルダを作ってください。
Claude Codeがやること
フォルダを作ります。
コマンドを覚える必要はありません。
なぜプログラミング経験が不要なのか
理由は2つです。
1. 日本語で指示できる
コマンドの書き方を知らなくても動きます。
2. スクリプトを書いてもらえる
「40枚の画像を連番にリネームするスクリプトを書いて」と頼めば、書いてくれます。
そして、実行までしてくれます。
この章での使い方
このリポジトリには、すでに3つのPythonスクリプトが入っています。
scripts/validate_images.py(画像の検証)scripts/rename_images.py(連番リネーム)scripts/create_csv.py(CSV作成)
まずはこれを実行するだけでも十分です。
Claude Codeは、実行を手伝ってもらう相棒として使います。
ターミナルの開き方
「ターミナル」とは、文字でコマンドを入力する画面です。
黒い画面や白い画面に、文字を打ちます。
Windowsの場合
PowerShell(パワーシェル)を使います。
手順
- キーボードの
Windowsキーを押す powershellと入力する- 「Windows PowerShell」が出てくるのでクリックする
- 青い画面(または黒い画面)が開く
別の開き方
- 作業したいフォルダをエクスプローラーで開く
- アドレスバーをクリックして、
powershellと入力してEnter - そのフォルダの場所でPowerShellが開く
この方法だと、フォルダ移動が不要になります。便利です。
macOSの場合
ターミナル(Terminal)を使います。
手順
Command+Spaceキーを押すターミナルまたはTerminalと入力する- Enterを押す
- 白い画面(または黒い画面)が開く
別の開き方
- Finderで作業したいフォルダを開く
- フォルダを右クリック
- 「フォルダに新しいターミナル」を選ぶ
最初に覚えるコマンド4つ
これだけ覚えれば足ります。
1. 今いる場所を確認する
Windows(PowerShell)
pwd
macOS(ターミナル)
pwd
どちらも同じです。
実行すると、現在の場所が表示されます。
2. フォルダの中身を見る
Windows(PowerShell)
ls
macOS(ターミナル)
ls
これも同じです。
ファイルとフォルダの一覧が出ます。
3. フォルダを移動する
Windows(PowerShell)
cd C:\Users\あなたのユーザー名\line-stamp
macOS(ターミナル)
cd /Users/あなたのユーザー名/line-stamp
違いに注意してください。
区切り文字 \(円記号/バックスラッシュ)
- macOS:
/(スラッシュ)
先頭 C:\
- macOS:
/Users/
入力を楽にする方法
cd と打ったあと(半角スペースを入れる)、フォルダをターミナルの画面にドラッグ&ドロップします。
パスが自動で入力されます。
4. 1つ上のフォルダに戻る
Windows・macOS共通
cd ..
.. は「1つ上」を意味します。
Pythonの導入
3つのスクリプトを動かすために、Pythonが必要です。
インストールされているか確認する
Windows(PowerShell)
python --version
macOS(ターミナル)
python3 --version
バージョン番号(例:Python 3.12.0)が表示されればインストール済みです。
インストールされていない場合
Windows
- Microsoft Store を開く
- 「Python」で検索する
- 最新版をインストールする
または、Python公式サイトからインストーラーをダウンロードします。
インストール時の注意
「Add Python to PATH」というチェックボックスがあれば、必ずチェックを入れてください。
これを忘れると、PowerShellから起動できません。
macOS
多くの場合、python3 が最初から入っています。
入っていない場合は、Python公式サイトからインストーラーをダウンロードします。
python と python3 の違い
これでつまずく人が多いので、はっきり書きます。
- Windows:
python - macOS:
python3
macOSで python と打つと、古いバージョンが動くか、エラーになります。
macOSでは必ず python3 と打ってください。
この章では、以降 python(Windows)/python3(macOS)と併記します。
Pillowのインストール
画像を扱うために、Pillow(ピロー)というライブラリが必要です。
Windows(PowerShell)
python -m pip install Pillow
macOS(ターミナル)
python3 -m pip install Pillow
インストールが終わると、Successfully installed Pillow-... と表示されます。
確認方法
Windows
python -c "import PIL; print(PIL.__version__)"
macOS
python3 -c "import PIL; print(PIL.__version__)"
バージョン番号が出ればOKです。
Claude Codeの導入と起動
インストール
Claude Codeのインストール方法は、公式のドキュメントで確認してください。
インストール手順や必要な環境は更新されることがあります。公式サイトの案内に従ってください。
起動
Windows・macOS共通
- ターミナルを開く
- 作業したいフォルダに移動する
- 次を入力する
claude
Claude Codeが起動します。
使い方の基本
起動したら、日本語で指示を打ちます。
このフォルダの中身を教えてください。
Enterを押すと、答えてくれます。
終了
/exit
または、Ctrl + C を2回押します。
自動化1 フォルダ作成
Claude Codeに頼む場合
そのままコピーして使えます。
現在のフォルダに、LINEスタンプ制作用のフォルダ構成を作ってください。
line-stamp/
├── raw/ 生成したままの画像を入れる
├── edited/ 加工済みの画像を入れる
├── output/ リネーム後の完成画像を入れる
├── final/ 申請用(main.png と tab.png もここ)
├── csv/ stamp_list.csv を置く
├── prompts/ 使ったプロンプトを保存する
└── boneyard/ ボツ案を保存する(SNS投稿用)
各フォルダに、用途を書いた README.txt も作ってください。
既存のファイルは削除しないでください。
自分でコマンドを打つ場合
Windows(PowerShell)
New-Item -ItemType Directory -Force -Path line-stamp\raw, line-stamp\edited, line-stamp\output, line-stamp\final, line-stamp\csv, line-stamp\prompts, line-stamp\boneyard
macOS(ターミナル)
mkdir -p line-stamp/{raw,edited,output,final,csv,prompts,boneyard}
boneyard(ボツ案)フォルダを作る理由
第9章で書いたとおり、ボツ案はSNSでいちばん反応がある素材です。
捨てずに残します。
そして、フォルダを分けておかないと、申請用の画像に混ざります。
これは実際にやりかけた失敗です。
自動化2 40個のセリフ管理(CSV作成)
スクリプトを実行する
Windows(PowerShell)
python scripts\create_csv.py
macOS(ターミナル)
python3 scripts/create_csv.py
実行すると、stamp_list.csv が作られます。
出力される列
number,category,text,emotion,pose,image_prompt,status,filename,notes
- number:通し番号(1〜40)
- category:カテゴリー(あいさつ、返事など)
- text:セリフ
- emotion:表情
- pose:ポーズ
- image_prompt:画像生成プロンプトのメモ
- status:進捗(todo / generated / edited / done)
- filename:対応するファイル名(stamp_001.png)
- notes:メモ
出力先を指定する
python scripts\create_csv.py --output csv\stamp_list.csv
python3 scripts/create_csv.py --output csv/stamp_list.csv
空のテンプレートとして出す
セリフを自分で入れたい場合は、--empty を付けます。
python scripts\create_csv.py --empty
python3 scripts/create_csv.py --empty
40行の枠だけが作られます。
Excelで開いたときの文字化けを防ぐ
このスクリプトは、UTF-8 BOM付きで出力します。
BOM(ボム)とは、ファイルの先頭に付ける短い印です。
これがあると、Excelが「日本語のファイルだ」と判断してくれます。
BOMがないと、Excelで開いたときに文字化けすることがあります。
だから、最初から付けて出力しています。
Claude Codeに頼む場合
csv/stamp_list.csv を読み込んで、次のことをしてください。
1. statusが todo の行を数えて表示する
2. カテゴリーごとの件数を表示する
3. textが9文字以上の行を警告として一覧表示する
4. filenameが空の行があれば、numberから自動で
stamp_001.png 形式で埋める
CSVは上書きせず、csv/stamp_list_updated.csv として保存してください。
自動化3 連番リネーム
40枚のファイル名を stamp_001.png 形式に統一します。
なぜスクリプトを使うのか
手作業で40回名前を変更するのは大変です。
そして、途中で番号を飛ばすと、順番が崩れます。
実行する
Windows(PowerShell)
python scripts\rename_images.py --input edited --output output
macOS(ターミナル)
python3 scripts/rename_images.py --input edited --output output
このスクリプトの安全設計
3つの安全策を入れています。
1. 元ファイルを上書きしません
--input のフォルダは触りません。
--output フォルダにコピーします。
失敗しても、やり直せます。
2. 処理前に一覧を表示します
こういう表示が出ます。
============================================================
リネーム対象ファイル一覧
============================================================
入力フォルダ: edited
出力フォルダ: output
1. IMG_2034.png -> stamp_001.png
2. IMG_2035.png -> stamp_002.png
3. IMG_2036.png -> stamp_003.png
...
40. IMG_2073.png -> stamp_040.png
対象ファイル数: 40 件
============================================================
この内容でコピーを実行しますか? (y/N):
y を入力するまで、何も起きません。
3. 並び順を安定させます
ファイル名に含まれる数字を、数値として比較します。
だから、こうなりません。
× img1.png, img10.png, img2.png
○ img1.png, img2.png, img10.png
確認せずに実行する
自動で進めたい場合は --yes を付けます。
python scripts\rename_images.py --input edited --output output --yes
python3 scripts/rename_images.py --input edited --output output --yes
番号の開始位置を変える
--start で指定できます。
python scripts\rename_images.py --input edited --output output --start 11
stamp_011.png から始まります。
メイン画像とタブ画像は含めない
main.png と tab.png は、リネームの対象から自動で除外されます。
そして、--output フォルダにそのままコピーされます。
この章は前後編に分かれています。
続きは「第11章 Claude Codeによる自動化(後編)画像の検証と原稿の自動生成」です。