第11章 Claude Codeによる自動化(後編)
前編の続きです。
前編では「環境の準備とファイル整理」を扱いました。
この後編では「画像の検証と原稿の自動生成」を扱います。
自動化4 画像の検証(最重要)
この章でいちばん大事な部分です。
validate_images.py が、次の8項目を自動でチェックします。
1 本当にPNG形式か
- なぜ必要か:拡張子だけPNGの偽装を検出
2 画像サイズが規定内か
- なぜ必要か:サイズ超過はリジェクト原因
3 縦横が偶数ピクセルか
- なぜ必要か:奇数はリジェクト原因になりうる
4 枚数が8/16/24/32/40か
- なぜ必要か:中途半端な枚数では申請できない
5 RGBA(透過情報)があるか
- なぜ必要か:透過なしはリジェクト原因
6 実際に透明な部分があるか
- なぜ必要か:「白塗り」を検出
7 ファイル名が正しい形式か
- なぜ必要か:順番崩れを防ぐ
8 画像が壊れていないか
- なぜ必要か:アップロード失敗を防ぐ
さらに、main.png と tab.png の存在とサイズも確認します。
実行する
Windows(PowerShell)
python scripts\validate_images.py output
macOS(ターミナル)
python3 scripts/validate_images.py output
フォルダ名を省略すると、現在のフォルダを対象にします。
出力例(問題がない場合)
▼ ここからコピーして使えます(28行)
============================================================
LINEスタンプ画像 検証ツール
============================================================
対象フォルダ: output
[1] ファイルの読み込み
PNGファイル: 40 件
メイン画像 (main.png): 見つかりました
タブ画像 (tab.png): 見つかりました
[2] 枚数チェック
OK: スタンプ画像は 40 枚です(申請可能な枚数)
[3] 各画像のチェック
OK: 40 件すべて問題ありません
[4] メイン画像・タブ画像のチェック
OK: main.png (240 x 240)
OK: tab.png (96 x 74)
============================================================
結果: 問題は見つかりませんでした
============================================================
【重要】
画像サイズ・枚数・ファイル形式などの仕様は変更される可能性があります。
申請前に LINE Creators Market 公式ガイドラインで
最新の仕様を確認してください。
▲ ここまで
出力例(問題がある場合)
▼ 以下 22行
[3] 各画像のチェック
NG: stamp_007.png
- 中身がPNG形式ではありません(実際の形式: JPEG)
- 透過情報がありません(カラーモード: RGB)
NG: stamp_012.png
- 画像サイズが規定を超えています(412 x 340 / 上限 370 x 320)
NG: stamp_019.png
- 透過情報はありますが、透明な部分が見つかりません
(背景が白などで塗りつぶされている可能性があります)
NG: stamp_023.png
- 縦の長さが奇数です(370 x 321)
NG: sutampu40.png
- ファイル名が stamp_001.png 形式ではありません
============================================================
結果: 5 件の問題が見つかりました
============================================================
▲ ここまで
どのファイルに、何の問題があるかが日本語で表示されます。
仕様が変わったときの修正方法
スクリプトの冒頭に、設定をまとめてあります。
# ============================================================
# 設定(LINE側の仕様が変わったらここだけ修正する)
# ============================================================
# スタンプ画像の最大サイズ(幅, 高さ)単位はピクセル
STAMP_MAX_SIZE = (370, 320)
# メイン画像のサイズ(幅, 高さ)
MAIN_IMAGE_SIZE = (240, 240)
# タブ画像のサイズ(幅, 高さ)
TAB_IMAGE_SIZE = (96, 74)
# 申請可能なスタンプの枚数
VALID_STAMP_COUNTS = [8, 16, 24, 32, 40]
仕様が変わったら、この数値だけを書き換えてください。
他の場所を触る必要はありません。
Claude Codeに頼む場合
scripts/validate_images.py を output フォルダに対して実行してください。
エラーが出た場合は、次のことをしてください。
1. 問題のあるファイルを一覧にする
2. 問題の種類ごとに分類する
3. それぞれの直し方を、画像編集ソフトでの操作として説明する
4. 自動で直せるものがあれば、修正方法を提案する
(ただし、元ファイルは上書きしないこと)

validate_images.py の実行結果(問題なし)

validate_images.py の実行結果(4ファイル・6件の問題を検出)
自動化5 制作チェックリスト生成
Claude Codeに頼みます。
csv/stamp_list.csv を読み込んで、
制作の進捗チェックリストをMarkdownで作ってください。
【出力する内容】
1. 全体の進捗(todo / generated / edited / done の件数と割合)
2. カテゴリーごとの進捗
3. まだ着手していないセリフの一覧(チェックボックス形式)
4. 生成済みだが加工していないファイルの一覧
5. 次にやるべき作業3つ
【出力先】
checklist.md
【条件】
- チェックボックスは - [ ] 形式にする
- 見出しを使って読みやすくする
- 既存のchecklist.mdがある場合は、
checklist_backup.md として退避してから上書きする
バックアップの指示を必ず入れてください。
これは、上書き事故を防ぐためです。
自動化6 SNS投稿案の生成
▼ ここからコピーして使えます(22行)
以下の情報から、SNS投稿案を作ってください。
【情報源】
- csv/stamp_list.csv(セリフ40個)
- prompts/ フォルダ内のプロンプト(制作過程)
- boneyard/ フォルダ内のファイル名(ボツ案の数)
【作ってほしいもの】
1. Threads向け 3案
2. X向け 3案(各140文字程度)
3. Instagram向け 3案(画像構成+キャプション)
4. LINE向け 3案
【条件】
- 販売URLだけを貼る投稿は作らない
- 制作過程・ボツ案・失敗談のいずれかを必ず含める
- 誇張表現を使わない
- 実際の売上や販売数を書かない(データがないため)
- 1文を短くして、2〜4文ごとに改行する
【出力先】
sns_posts.md
▲ ここまで
自動化7 原稿のMarkdown出力
制作記録をnoteやブログ用にまとめます。
▼ ここからコピーして使えます(29行)
このプロジェクトの制作記録を、note投稿用のMarkdownにまとめてください。
【情報源】
- csv/stamp_list.csv
- prompts/ フォルダ内のファイル
- checklist.md
【構成】
1. なぜこのテーマにしたか
2. キャラクター設定
3. セリフ40個の選び方(カテゴリー配分を表で)
4. 使ったツール
5. 実際に使ったプロンプト(コードブロックで)
6. 加工の手順
7. 失敗したこと
8. 申請の流れ
9. これから作る人へ
【条件】
- 見出しを多く使う
- 結論を先に書く
- 1文を短くする
- 2〜4文ごとに改行する
- 誇張表現を使わない
- 実際の売上や販売数を書かない
- 画像を入れる場所に【画像挿入】と書く
【出力先】
note_draft.md
▲ ここまで
作業の全体フロー(コマンドまとめ)
実際の作業順に並べます。
Windows(PowerShell)
▼ 以下 21行
# 1. 作業フォルダへ移動
cd C:\Users\あなたのユーザー名\line-stamp
# 2. Pythonとライブラリの確認
python --version
python -c "import PIL; print(PIL.__version__)"
# 3. CSVを作る(セリフ管理用)
python scripts\create_csv.py --output csv\stamp_list.csv
# 4. 画像を生成して edited フォルダに加工済みを置く(手作業)
# 5. 連番にリネームして output へコピー
python scripts\rename_images.py --input edited --output output
# 6. main.png と tab.png を output に置く(手作業)
# 7. 検証する
python scripts\validate_images.py output
# 8. 問題がなければ申請へ
▲ ここまで
macOS(ターミナル)
▼ 以下 21行
# 1. 作業フォルダへ移動
cd /Users/あなたのユーザー名/line-stamp
# 2. Pythonとライブラリの確認
python3 --version
python3 -c "import PIL; print(PIL.__version__)"
# 3. CSVを作る(セリフ管理用)
python3 scripts/create_csv.py --output csv/stamp_list.csv
# 4. 画像を生成して edited フォルダに加工済みを置く(手作業)
# 5. 連番にリネームして output へコピー
python3 scripts/rename_images.py --input edited --output output
# 6. main.png と tab.png を output に置く(手作業)
# 7. 検証する
python3 scripts/validate_images.py output
# 8. 問題がなければ申請へ
▲ ここまで
エラーが出たときの確認方法
よくあるエラーと対処をまとめます。
エラー1 python が見つからない
表示例(Windows)
'python' は、内部コマンドまたは外部コマンド、
操作可能なプログラムまたはバッチ ファイルとして認識されていません。
原因
- Pythonがインストールされていない
- インストール時に「Add Python to PATH」をチェックしなかった
対処
- Pythonを再インストールする
- インストール時に「Add Python to PATH」にチェックを入れる
- PowerShellを閉じて、開き直す
PowerShellを開き直すのが重要です。
開いたままだと、設定が反映されません。
エラー2 python3 が見つからない(macOS)
対処
python で試してください。
python --version
バージョンが3以上なら、python で動きます。
エラー3 ModuleNotFoundError: No module named 'PIL'
原因
Pillowがインストールされていません。
対処
Windows
python -m pip install Pillow
macOS
python3 -m pip install Pillow
エラー4 No such file or directory
原因
指定したフォルダやファイルが見つかりません。
対処
- 今いる場所を確認する
pwd
- 中身を確認する
ls
- スクリプトの場所を確認する
scripts フォルダが見えていますか。
見えていなければ、フォルダを移動します。
エラー5 文字化けする(Windows)
症状
日本語が ???? や記号になる。
対処
PowerShellで次を実行します。
[Console]::OutputEncoding = [System.Text.Encoding]::UTF8
そのあとにスクリプトを実行してください。
エラー6 Permission denied
原因
ファイルが他のソフトで開かれています。
対処
ExcelやプレビューでCSVや画像を開いていたら、閉じてください。
エラー7 UnicodeDecodeError
原因
CSVの文字コードが違います。
対処
CSVをテキストエディタで開き、UTF-8で保存し直します。
または、create_csv.py で作り直します。
Claude Codeに頼むときのコツ
コツ1 バックアップの指示を必ず入れる
既存のファイルがある場合は、
_backup を付けた名前で退避してから上書きしてください。
この1文を入れる習慣をつけてください。
コツ2 「元ファイルを上書きしない」と書く
元の画像は変更せず、output フォルダにコピーしてください。
コツ3 実行前に確認させる
実行する内容を先に説明してください。
私が「OK」と答えてから実行してください。
コツ4 結果を日本語で表示させる
処理結果は日本語で表示してください。
コツ5 1回の指示は1つの作業にする
複数の作業を一度に頼むと、途中で失敗したときに原因がわかりません。
よくある失敗
失敗1 python と python3 を間違える
macOSで python と打つとエラーになることがあります。
対策:macOSでは python3 を使う。
失敗2 Pillowを入れずにスクリプトを実行する
ModuleNotFoundError が出ます。
対策:先に pip install Pillow を実行する。
失敗3 Pythonインストール時にPATHのチェックを忘れる
PowerShellから起動できません。
対策:再インストールして「Add Python to PATH」にチェックを入れる。
失敗4 フォルダの場所を確認せずにコマンドを打つ
No such file or directory が出ます。
対策:pwd と ls で確認する習慣をつける。
失敗5 元ファイルを上書きする
やり直しができません。
対策:--output を使って別フォルダに出す。指示にも明記する。
失敗6 ボツ案を申請用フォルダに混ぜる
枚数が合わなくなります。
対策:boneyard フォルダを作って分ける。
失敗7 検証をせずに申請する
リジェクトされます。
対策:申請前に必ず validate_images.py を実行する。
失敗8 修正後に検証を再実行しない
別の問題を作り込むことがあります。
対策:修正のたびに実行する。
失敗9 Excelで開いたままCSVをスクリプトで書き換えようとする
Permission denied が出ます。
対策:Excelを閉じる。
失敗10 Claude Codeに指示を出しすぎる
一度に多くを頼むと、原因の切り分けができません。
対策:1指示1作業にする。
この章のチェックリスト
環境の準備
- □ ターミナル(PowerShell / ターミナル)を開けた
- □
pwdで現在の場所を確認できた - □
lsでフォルダの中身を見られた - □
cdでフォルダを移動できた - □ Pythonのバージョンを確認した
- □ Pillowをインストールした
- □ Pillowのバージョンを確認できた
スクリプトの実行
- □
create_csv.pyを実行してCSVを作った - □ CSVをExcelで開いて文字化けしないことを確認した
- □
rename_images.pyを実行して連番にした - □ 元ファイルが残っていることを確認した
- □
validate_images.pyを実行した - □ すべての項目がOKになった
自動化
- □ フォルダ構成を作った(
boneyardを含む) - □ 制作チェックリストを生成した
- □ SNS投稿案を生成した
- □ 制作記録の原稿を生成した
安全確認
- □ バックアップの指示を出す習慣をつけた
- □ 元ファイルを上書きしない設定で運用している
- □ 仕様変更時に直す場所(設定セクション)を把握した
章のまとめ
- Claude Codeは日本語で指示できる。コマンドを覚える必要はない
- 覚えるコマンドは4つ(
pwd/ls/cd/cd ..) - Windowsは
python、macOSはpython3 - Pillowを入れれば、3つのスクリプトが動く
validate_images.pyは、目視では不可能な確認(中身がPNGか、本当に透過されているか)をしてくれる- 仕様が変わったら、スクリプト冒頭の設定だけを直す
- 元ファイルは上書きしない。
--outputで別フォルダに出す - ボツ案は
boneyardに保存する(SNSで使う) - 申請前と修正後は、必ず検証を実行する
次の章では、よくある失敗を20個まとめます。
先に読んでおくと、同じ失敗を避けられます。

検出された問題の一覧(設定セクションの数値で判定している)